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2013年4月21日 (日)

シェリル・サンドバーグの『Lean In』がめちゃくちゃおもしろい(※まだ読み終わってない)

全米で話題沸騰中のこちらの本。
フェイスブックのCOO、シェリル・サンドバーグの著書である。
まだ読み終わってないのに、途中までの感想を書きたくなるくらいおもしろい。
(後日談:ちゃんと読み終わりました。おもしろかったーーーー)

「結婚とか出産とかいろいろあって大変だけど、女性が働きやすくなるように、一歩踏み出しましょう!」
という主張が展開されていて、「新しいフェミニストのマニフェスト」とか称されている。

この本の何が話題沸騰かというと、こんな感じである。

A Titan’s How-To on Breaking the Glass Ceiling(NEW YORK TIMES)

5 smart responses to Sheryl Sandberg's Lean In(THE WEEK)

When Black Women Are Left Out of the Conversation(ESSENCE)

まずは一歩後ろに引いてみること--ハフィントンからサンドバーグへの助言(ZDnet Japan)
(余談だけど、わたしこの方の記事のファンである)

「今苦しんでる女性たちに対して、これ以上踏み出せとか言うのか!」とか、
「お金持ちのあなたが言ってもねーーー」とか、
「主張が結局エリートの女性にしか当てはまらないじゃん」とか、そんなかんじで、賛否両論なのである。

ふむーーーーー。
おそらく、本人も批判を受けるであろうことを予知していたっぽく、本の中にはクッションワードならぬ、昔の失敗談とか苦労話のようなクッションエピソードみたいなものがたくさんある。
そのうちのひとつ、シェリルさんがGoogleで働いていたころ、電話会議に出ながら機械で搾乳してた、というエピソードとか、もうかわいすぎるじゃん!と思うのだが。
というように、わたしは今のところ、字面通りにしか彼女の言葉を受け取れなくて、おっしゃる通りだよなあーとうなずくばかりである。

この本の中で、シェリルさんは、「女性のリーダーはもっと増えるべき!」としている。
シェリルさんが、Googleで働いていたとき、妊娠してつわりがとてもひどくなったそうだ。
駐車場からオフィスへの道のりもつらくて、CEOのラリー・ペイジに頼んで、オフィスに近い場所に妊婦専用の駐車スペースを作ってもらった、という話である。
シェリルさんは偉い人たちに直訴できる立場にいたから提案がすぐに実現したけど、そうじゃない人の場合はどうなってしまうんだろう?と同社の女性の中で地位が高い自分がこれまで気づかなかったことを恥じるところからこの本は始まる。


このエピソードの通り、同じような人間しかいない場所には、それ以外の発想が生まれなくて、少数派を無視してるよね、と思うのである。
最近、わたしの友達が妊娠したのだが、彼女はつわりの体を引きずりながら、他の社員と一緒に引き続き遅くまで仕事をさせられていて、本人よりもまわりのわたしたちが心配しているし、憤っている。
結婚や出産を経験した女性がリーダーになってくれたら、そしてリーダーになれる仕組みがあれば、こういう状況も変わるんだろうなあと思う。


しかし、アメリカにも「3歩後ろを歩く」的な伝統はあるらしく、それが女性リーダーの増加のひとつの障害となっているとシェリルさんは考えている。

We hold ourselves back in ways both big and small, by lacking self-confidence, by not raising our hands, and by pulling back when we get throughout our lives -- the messages that say it's wrong to be outspoken, aggressive, more powerful than men.

(わたし訳:私たち(女性)は自信不足や、手を挙げないこと、人生のあらゆる場面で後ろに引くなど、大小さまざまな方法で、自分を押しとどめている。それは、男性よりも率直になること、積極的になること、パワフルになることは間違いだと言われているからだ)

こういう古い価値観から、リーダーになるのを避けてしまっている女性がいるのはもったいない、とシェリルさんは述べる。
だから「Lean In」なんだ、と。踏み出せ、と。

ほんとよねー。
「どうせ無理」って思いこんで行動しないのって一番もったいない。
わたしの話だけど、ニューヨークで働くポストに手を挙げるとき、周囲からは、

「女性が駐在になるのは無理って言われてる」
「ニューヨークなんか行ったら出産どうするの?」

とか言う声が上がったけど、手を挙げずにあきらめていたらすごく後悔しただろうなと思う。
無計画とも言いますが。はい。


ちなみにシェリルさんは、
「誰もがこうしろ、と言っているわけではない」
としていて、仕事を辞めるという選択肢を選んでもいいのよーと、他の価値感も認めているのである。
それなのに、この記事の冒頭にあったような論争というか批判が起きるってどういうことなのだろうか。

・これまでの自分の生き方、やり方を否定されたと思っている人
・「自分ががんばれてない」と思っていて、、どこかで自分を責めているのをずばりシェリルさんに指摘されちゃったと思い込んでいる人
・スタート地点があまりにもシェリルさんと違って弱いので、同じような戦法(給料の交渉をするとか)をとれないと思っている人

この辺の人たちが批判しているのかなあ・・・・


というように、非常に示唆に富んでいる本なので、次回以降にもっとちゃんと感想を書いていきたいと思います!

アップしようとしたら途中までブログが消えて、これ以上書く気がしなくなったわけじゃないのよ。

・・・・ぐすん。


(2013/5/14 追記)
こちらも今後ちゃんとまとめるつもりだけど、ヴァージンアトランティック航空のリチャード・ブランソン会長のこの本に対するコメントが面白かったので、リンクを貼っておきます!

Richard Branson on Sheryl Sandberg, 'Leaning In,' and Balanced Workplaces(Entrepreneur.com)


(2013/6/30 追記)
日本で発売したからか、このエントリーを見つけてくださる方が結構いらっしゃるので、後日談というか、他に引用したエントリーへのリンクも貼っておきます。
あ、ちなみにエントリーのタイトルが「まだ読み終わってない」とかついていますが、無事読み終わったのでご安心を。(?)

『オールドボーイズネットワークとエイリアンのわたし』
『メンターって必要か?』(usa in wonderland)

でもって、日本語版はこちら!いいなあいいなあ読みたいなあ。


わたしは仕事で女性に会うことが多いような気がしていたんだけど、読んだ後は「アメリカってそこまで先を進んでいるわけじゃないのかも・・・・」という感想を持った。
日本よりいいか悪いかと単純に言えることはあまりないんだけど、出産について人の話を聞いていて気づいた違いはこちら。

・無痛分娩が普通-ちなみに無痛じゃないのも選べるらしい。
・アメリカは出産後すぐに病院を出される-医療費高いからねえ。
・出産費用は保険がカバー-「え!日本の保険は出産費用出してくれないの!?」とびっくりされた。出産一時金もらっても赤字だもんねえ、日本だと。
・アメリカは産休短い-日本も産休だけなら短いのか?産んで3か月くらいで仕事に復帰する人が多いみたい。

そのほか、随時追加していきます!

(2013/7/2 追記)
日本でシェリルさんの講演会があったみたいですね。いいないいな。
講演会の動画のリンクを一応貼っておきます。

グローバル・ウーマン・リーダーズ・サミット
(アーカイブも同時通訳つきなので、シェリルさんの言葉が直接聴けないのが超残念・・・・)

この中でシェリルさんは、「政府が何をしてくれるかではなく、ひとりひとりができること」として3つのことを挙げていた。
(1)「女はこうあるべきだ」というステレオタイプを捨てること
女性は自信を持つこと、サポートだけでなく自分が組織を率いるという気持ちを持つこと。

(2)働き方を男女平等に
男女にあるお給料のギャップについて言及。アメリカでは23%、日本では29%も賃金の差がある。
また、勤務時間が長いことは女性が働くことを阻害している。三菱化学の打合せは1時間まで、19時には帰るという取り組みを紹介。

(3)家庭の仕事も男女平等に
日本では、女性の育児にかける時間が男性よりも5倍も長い。
KDDIの社長と、FBについて、女性について議論したらしい。未来は女性にかかっている、というコメントを得たそうだ。

まとめとして、「怖くなかったら何をする?」(これは本にもあった節)と考えて、自分がどのようにLean Inするのかを考えて、シェアしてほしいとのこと。
女性がリーダーになることで未来が変わる。少しずつ女性がリーダーになることで、仕事で成功した女性が嫌われず、周囲から支えられる時代になる、とも述べていて、よりよい社会、幸福に包まれた家族を作るために、男女ともポテンシャルを引き出せるような環境を作っていくことが大切だ、と講演を締めくくられていた。

パネルディスカッションはいまいちシェリルさんの出番が少なかったんだけど、川本裕子さんの「日本の会社はJob deciptionがしっかりしていない」という言葉や、キャシー・松井さんの「ライフパートナー(結婚相手)を誰にするか?といのは人生の中で最も大事な選択」という言葉は心から同意した。

Job description、ようは業務範囲だと思うんだけど、以前のエントリーで書いたとおり、これは日本の組織だと本当にあいまいだと思う。
以前のエントリー:『「英語ができる」という評価を「英語ができない」人がする悲劇』

ここにも書いたけど、わたしは「TOEIC900点以上」という噂が流れて、全然職種が違うのに会社の広報のアナウンスの英訳を頼まれたことがある。
こういう曖昧にお願いされることのせいで残業も多くなるし、本来やらなきゃいけない仕事との間で板ばさみになるし、効率性を著しく下げているような。
ちなみにこれを書いたときに「上司を通して頼むべき」って超正論をもらったんだけど、それより上のレイヤーの話のような気がしている。

Job descriptionをきちんと作る、というのはものすごく大変な仕事のようなので、すぐにどうなる、というのは無理かもしれないけど、同僚に対して「気を利かせてやってほしい」みたいなことをなくすだけでだいぶ違うのではないかなーと思う。

しかし、上記の動画を見ると、質問してる女性はだいたいみんなきれいな英語で質問していた。こういうスキルを持った人たちがよくわからない社内政治にだけ精通したおじさんたちに邪魔されて自由に自分の人生を選べない環境は、本当にもったいないよなあ!

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