05.考えたこと

2013年6月29日 (土)

わたしは友達が少ない

以前、20代後半の後輩女子がこんなことを言っていた。

「この年齢になって仲のいい友達を作るのって難しいじゃないですかー」


わたしは30近辺でもこれからずっとつきあっていきたいなあ、という友達ができた経験があるので、年齢関係あるのかなー?と疑問に思った。

しかし、最近ふと、「あれ?わたしニューヨーク来てから友達できた?」と自問してみた。
ニューヨークに来てから知り合って、仲良くなった日本人って、ほぼ皆無に等しい。
アメリカ人とかスペイン人、メキシコ人にはわずかながら仲良くなった人がいるのだが。

・・・・・・・・

わたし友達少ない・・・・?

なんでだろうと思ってちょっと考察してみた。

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(1)同級生はまずいない

わたしは地方のマニアックな学校出身なので、同期卒業は数百人単位で、しかも同じ学科となると数十人である。普通に考えてニューヨークに来るやつそんなにいないだろう。
海外在留邦人数調査統計によると、平成24年(2012年)のニューヨークの長期滞在者は42,375人。(ソース
長期滞在する人が多いであろう年代は20歳から60歳と考えられるが、この年代の日本人の人口は約6549万人だそうなので、単純に割り算すると0.065%。(ソース)
これは、日本人の20歳から60歳の人のうち、1538人に1人がニューヨークへ行く、という確率である。学年1万人とかの学校だったらそりゃあ派閥が作れる程度の人数がいるだろう。さらに上位の学校だとこの確率が高まることが想像される。
最近気づいたんだけど、大きな大学の強みはこれかもしれない。ははははは、地元愛とチャレンジ精神のなさのおかげで、気づくの10年ちょっと遅れたわーーーーー。
さらに、同じ地方出身の人もあまり見かけない。単純に人口の問題である。
おお、これがよく言われる、コネなし、学歴なし、って状態か?


(2)趣味が基本的に個人プレイ系

わたしの趣味は本を読むこと、スーパーや食料品店、古着屋さんめぐり、散歩、あたりである。
なんだこの個人プレイ満載な感じ。リア充からは程遠い。そしてこういうネットスラングをニューヨーク在住を前面に出しているブログで自然に使っちゃうあたりもやばい。
さらに問題なのが、お酒がそんなに飲めなくて、お酒を飲むこと自体に価値を見出せず、「飲みに行こうぜ!!」とならないというところである。
ああ、そうか、ライブに人を誘って一緒に行く、という手があるか。しかし・・・・


(3)夫がいるので新規開拓の必要性が少ない
そうなのである。夫とはとことん趣味嗜好が合うし、勝手知ったる仲なので、何かをするために友達を作る必要がないのである。
ライブもご飯も一緒に行けばいいし。家でごろごろしてても一緒にいる人がいるかいないかでさみしさを感じるかどうかが違う気がする。
さみしさとは友達作りの大きなモチベーションである。

そこで、勝手知ったる夫に、「友達ができてなくて、だめな気がする・・・・」と心境を吐露してみた。
もちろん本人も友達が少ない夫は苦笑いというか、なんとも言えない微妙な顔をしてこう言ったのである。

「じゃあ日本では何人友達いたの?」
「えーっと・・・・1,2,3・・・・」

(4)友達が少ないのは今始まったことではなかった

・・・・・・・・ニューヨークで友達が少ない、というのは気のせいなのかもしれない。

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・・・・うむ。

こんな感じで、自らを見つめたりだらだらしながら毎日を過ごしているわけだが、

「○○会(県人会とか、大学会とか、年代会とか色々)で飲みに行ったんだけどー」
「大学の同級生とBBQしたんだー」
「週末友達とめっちゃ遊んでるー」


とか聞いていると、やっぱりどの経験もない自分がダメ人間な気がしてくるのである。
本当に、こっちの社会の日本人コミュニティーに疎い。日本人なら広く知っている情報を知らない。レストランとかお店とか、そういえば美術館に安く入る方法も知らなった。まあいいか、いや、よくないだろう・・・・みたいな気持ちが気持ちが拮抗する。


ある日、これじゃいかん!という気持ちが高まっているときに、○○会に誘われた。
ちょっと悩んだけど、緊張を押しのけて行くことにした。
飲み会の場所はそれはそれはおしゃれな場所で、ややクラブっぽい作りにくらくらする。
飲み会が始まってみたら、それこそ大学のテニスサークルのようなノリ。(※すみません地方理系女のレンズを通してみた東京のゆがんだイメージです)嬌声、やたら大きな笑い声、こんな言葉はないけど自虐と他虐が入り混じる要点がつかめない会話があちこちで繰り広げられたかと思ったらものすごく遠くからカットイン。案の定ぽかーーーんとながめているしかなかったのである。


・・・・・・・・ああ、やっぱりわたしダメ人間。


しかし、行ってみてよかった。わたしはこういう集まりで『友達』を作るって無理なんだなあ、と悟ることができた。
そして、そんな無理をするなら、今のままでいいじゃん、友達少ないですがなにか?という境地に達したのである。すごい進歩よ、わたし!!
夫には、「友達百人できるとでも思ってたの?」と失笑される始末である。冷静だな・・・・

ちなみに冒頭の「この年齢になると友達ができない」と言った彼女のせりふは、続いていて、

「ニューヨークに来て、すごいたくさん友達ができたんです☆」

で終わったことを書き添えて、筆をおきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

2013年6月25日 (火)

メンターって必要か?

先日、米国暦が20年以上という日本人男性が、

「アメリカで生きて来られたのは、若い頃に出会ったメンター2人のおかげ。だから、皆さん(駐在員の皆さん、だったかも?)もメンターを見つけることをおすすめする」

と語っていらした。

なんかピンとこないなあと思ったのは、以前も紹介した、この本のせいだった。



Lean In: Women, Work, and the Will to Lead(Sheryl Sandberg)

以前のエントリーはこちら。
「Lean Inがめちゃくちゃおもしろい」


「メンター」についてちょっと調べてみるかーとぐぐって出てきたこの記事も、メンターバンザイ!で、他力本願まではいかないけど、なんとももやっとした。

自分のよき師“メンター”を見つけよう (Allabout)

メンターは、あなたのよき指導者・助言者です。メンターとの出会いは、あなたのキャリアをより充実したものにしてくれるでしょう。ガイドの経験などから、メンターを見つける方法をお教えします。

な、なんか「指導してもらって当たり前」「見つけたらこっちのもん」みたいな雰囲気を感じるのは考えすぎだろうか。

シェリル・サンドバーグさんは、さすがに有名人なだけあって、講演会の終わりに、「メンターになってください!」という人に取り囲まれたりするらしい。たしかにメンターやスポンサーは働く上で大事だけど、女性にとってはメンターを探すのは難しいので、その労力がちょっと違う方に行っているんじゃないか、メンターって言葉はどうでもよくて、大事なのは中身でしょう、と指摘している。
メンター探しは、まるで白馬の王子様を待っているようだ。王子様が来たら出世もできて、重要な仕事ができるようになると信じているんじゃないだろうか、とも言っていて、なんか条件を並べ立てる婚活みたいっすね・・・・とぽかーんとするわたし。


シェリルさんには親身になって相談に乗っていた女性がいたそうだ。「メンター」という言葉は使っていなかったけど、シェリルさんは彼女のメンターを自負していたので、その女性がある日「メンターがいたことがない」と発言したときには本当にびっくりして、じゃああなたにとってメンターって何?と聞いたそうな。

I asked what a mentor meant to her. She explained that it would be someone she spoke to for at least an hour every week. I smiled, thinking.  That's not a mentor -- that's a therapist.

メンターじゃなくてセラピストって!

上記のリンクにも、メンターは上位の人がいい、みたいなことが書いてあったが、64%のVice presidentレベルの男性が、女性とふたりでミーティングをするのは嫌だと考えている、という調査結果を挙げて、女性がメンターを得ることの難しさに言及。
これじゃ現在の男性ばかりがえらくなっているという社会では女性に不利だから、インフォーマルな情報交換の機会を女性にも平等に与えることの重要性を訴えている。ある企業のえらい人は、女性と2人だとあらぬ噂を立てられるのもあるので、社員と夜食事に行くのは避けて、ランチに限定しているとのことだ。確かにこれなら噂も立てられない。
そういえば、日本で、その当時の上司と夜食事に行くとき、彼は「2人で会社の近くだと噂を立てられるから」とかなり警戒していたことを思い出した。くだらないことだけど、出世(とリンクした人生)が本気でかかっている男の人たちにとってみたら、結構重要な問題なのだろう。


で、ここまで書いてみて思ったんだけど、メンターってそんなに必要なのかなあ。
友達や、仲のいい新旧同僚がある程度いれば、持ちつ持たれつで、色々乗り越えられていけるものである。
むしろ、年上の人をメンターにして、「オレの頃は・・・・」って講釈を垂れられるほうがつらいような気がするのだ。あ、これは一部の親も含まれるかもしれない。

シェリルさんも「メンターは見た目よりずっと相互作用するもの」とおっしゃっていた。
なので、やっぱり周りの友達や先輩や後輩とよくしゃべるようにしておけば、それだけで解決!である。
今はTwitterとかFacebookとか、ソーシャルメディアでいろんな方向からアドバイスをもらうこともできるし、離れた友達にもメールやメッセンジャーでいつでもコンタクトがとれるし。
ええ、先週も日本の友達にLINEで「友達ができない」と相談していましたね。ははは。


冒頭の言葉をおっしゃったのはいわゆるエスタブリッシュメント系、堅い仕事の男性だったので、失礼ながら、彼が生きてきた20年前、いわゆる伝統的なオールドボーイズネットワークでは「メンター」をいちいち設定するのはいい方法だったのかもねえ、と遠くを見る目をしてしまう。
そういう前のめりな姿勢より、なんとなく自然なつながりの方が結局長く続くし、相互作用だし、疲れなくていいんじゃないかなあとか発言したらゆとりとか草食系とかののしられるのだろうか。

ところで、この本、ついに日本語版が今週出るようです!

LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲


ちゃんとニュアンスがつかめているかわからないので、日本語版も読みたいなあー。

2013年6月10日 (月)

「欧米」というくくりに物申す

よく、「欧米」というくくり方が使われるけれど、今日はこの言葉に異論を唱えたい。
「欧」と「米」は全然違うのである。

わたしはどちらかというと旅行やら長期滞在やらで欧州のほうがなじみがあって、ニューヨークに住む前には、米はつまみ食い程度の経験だった。
住むことになり、まじまじとニューヨークを観察してみて、欧州とここが違うなーと思った3点を挙げていきたい。


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(1)フルメイク・ブランドものを持って街を歩く女性が多い

これは本当にびっくりした。日本と変わらないじゃん!と。
欧州だと、いつもはノーメイクで、友達と夜遊びに行くときはおしゃれしてメイクするかな・・・・って人が多いので、アメリカ人にまで化粧の薄さを指摘されるわたしとしては、女性のきらびやかさがまぶしい。
ブランドものは、欧州だと例えばヴィトンとか、シャネルとか、その辺のバッグを持って歩いてる人はあんまりいないような気がするのである。(ちなみに今ニューヨークで人気なのはバッグはMichael Korsとか、Marc Jacobs。靴はトリー・バーチとルブタンっぽい。わたし観察だけど東京とトレンドが似ているような)
ニューヨークに住んでる人はお金持ち・・・・ということなのかなあ。さらに言うと、そういういいものを持っていても浮かないし、スリに狙われないということなのだろうか?


(2)食事はビジネスの次であり、そんなに重要じゃない
ブレックファーストミーティング(!!)とかパワーランチといわれているミーティングやイベントのときのご飯は、よほどいい相手じゃないと(※経験なし、ビュッフェはあったけど)ファーストフードみたいな、ラップとかサンドイッチを食べながら話す、というスタイルになる。場合によっては立食。
さすがに日本でランチミーティングのときは、そこまでではなかったような気がするし、むしろ、ビジネスだからそこそこいいお弁当が食べられたりした気がする。
その他にも、「ポテチを!食事と一緒に!食べるなんて!!!」とか、「なんで巨大チョコチップクッキーがサンドイッチと一緒にランチボックスに入ってるの!!!」とか、食べることに対して突っ込みたいところはたくさんある。
だいたい、ブレックファーストミーティングって7時半から始まったりするんだけど、眠いし、朝ごはんゆっくり食べたいし、ほんとアメリカでビジネスしてる人たちは意識高いなもう・・・・とミレニアル世代でごはん命なわたしは思うわけです。
ああ、欧州ののんびりご飯を食べて、コーヒーまで飲む生活習慣が懐かしい。
ぶーすか言ってますが、基本的にニューヨークの外食はおいしいですはい。


(3)店員さん、役所の人がてきぱきしている
日本に比べたらそうでもないかもしれないけど、まーーーー店員さんも役所の人もよく動くし、仕事速い人が多い。
欧州だと、最初にオーダー聞いてもらうのも待って、料理が出てくるまでも待って、お会計を持ってきてもらうのにも待って、おつりも待って、というかんじで合計待ち時間が相当長いんだけど、アメリカは席に着いた瞬間にオーダー聞かれるし、料理もかなり早く出てくるし、お会計は食べ終わったくらいに持ってくるし、なんかすごいわ。

・・・・ん、やっぱりこれは東京ではないか?

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ということで、よく皆さんに「慣れた?」と言われてたんだけど、「慣れるもなにも東京とほぼ一緒だしなあ・・・・」と思っていたのは、欧州経験があったからかもしれない。

欧州をディスってるわけではないんだけど、あののんびりさ、社会保障の手厚さが生む堅さとぬるさが同居した感じは、アメリカ、というかニューヨークにはない。ニューヨークはもっと必死で、意識が高く、「儲けたいし、効率第一!でもリベラルでもいたいし、文化的にも発展したいぜ!」っていう雰囲気である。

・・・・めっちゃ東京じゃん。

少なくとも、欧州と米国より、東京とニューヨークのほうが似ているんじゃないかなあ。
おそらく、むかしむかし、ペリーが浦賀にやってきたくらいの頃は、欧米ってくくれちゃうくらい、東京とニューヨークに差があったのかもしれない。
でも、戦争が終わって、日米なんとか条約とかが効力を持つようになって、米との距離が近くなった結果、欧州と米よりも日本と米の方が雰囲気が近くなっちゃったんじゃないだろうか。

なので、「欧米」というくくりをやめて、「日米」と「欧州」でいいんじゃない、とこんなインターネットの片隅で提案したい。

まあ、欧州にも、スイスみたいな「超しっかり国家(そして裏の顔が謎)」があるし、食事をおろそかにしてるイギリスと、南欧みたいな「ごはん命!」な人たちの集まりもあるし、ニューヨークと米国内のその他の都市もきっと全然違うだろうから、なんとも言えないけどねーー、と最後に弁解して、言い逃げしつつ、みなさんの反応を待ちたいと思います。

2013年5月30日 (木)

世界のフラットさを情報伝達手段から考える

先日書いたこちらの記事、特にミレニアル世代の方たちや、その世代を応援したいという方たちに読んでいただいて、うれしいフィードバックもたくさんいただいた。

過去エントリー:「オレがオレが」なミレニアル世代が世界を救う?


「ああ、こういう経験ある!」だったり、「スマホ洗濯機の例がすごくよくわかる」というようなミレニアル世代の普段は隠されていた心の叫びだったり、少し上の世代の方からはこんなコメントも。

Tweet_3


おそらく、FacebookやTumblrを初めとする、アメリカでその影響力が認められているIT系スタートアップ(=ベンチャー企業のこと)はミレニアル世代が経営しているものが多いので、「最初は何をやっているかわからないけど、無視できない大事な存在」と捉えられているんだろうなあ。


さて、冒頭のミレニアル世代の記事の中にも転載したのだけど、TIMEのあの記事が言う、
「ミレニアル世代の世界は平等(Their world is so flat that they have no leaders)」
について、なんでなんだろう?と考えていた結果、

「情報伝達手段が平等で、誰もが発信源になれるし、誰もが有益なフィードバックを返す存在になれるからじゃない?」
という仮説に行きつき、こんなエントリーを書いてみることにした。


今日のエントリーでは、「情報伝達」の手段を、

A. 情報の宛先の数→ユニキャストか、ブロードキャストか?
B. 情報の媒体→紙か、データか?


のふたつで分割してみようと思う。
思考実験なので、「町の掲示板みたいのはどうなんだ」というツッコミは勘弁してくだせえ。


ちなみに、ユニキャスト、ブロードキャスト、というのは、インターネット関連の技術でよく使われる言葉で、

ユニキャスト:1対1の通信
ブロードキャスト:1対複数の通信


のことを指す。この辺の言葉がどのくらい一般的なのかわからないので念のため解説。
(中学くらいからどっぷり情報系理系女なのでわからないのである・・・・)


ということで、このふたつの要素で情報伝達手段を分けてみると、こうなる。

4

それでは、ひとつずつ見ていきたい。


(1)ユニキャスト+紙

要は手紙。はるか昔、聖徳太子が使った手法で、今でも残っている。
あと、印刷技術が広まる前の詩や物語は、みんな書き写していたんだよねえ。源氏物語とか。
この方法、何よりも時間がかかる。紙の紛失を恐れて書き写すのも大変だし、書き写す人が間違える可能性もなきにしもあらず、とにかく信頼性も低い。パケット再送とかできないし。
しかし、1対1で、基本的に相手の立場や自分の立場を考えて、特化したメッセージを伝えることができるので、「気持ちが伝わる」というのはいまだに特徴として挙げられるのかもしれない。
あえて図を描くとこんなかんじ。
Photo_3
上が聖徳太子バージョン、下が源氏物語バージョン。
年賀状がここに入るかはちょっと微妙だけど、ひとりひとりに手書きメッセージを入れていたら入れてもいいとしよう!


(2)ブロードキャスト+紙

新聞とか正党機関紙、雑誌。
フランス革命のときにばらまかれた、マリーアントワネットを中傷するビラ(こんな感じ)なんかもこれに入る。(何を隠そうわたしはベルばらファン)
手紙よりは情報が伝搬する範囲が広いので、自分の考えをたくさんのひとに伝えたいとき、仲間を作りたいときに有効。本とか同人誌もここに入る。

Slide2


図はこんなかんじ。
何より紙でブロードキャストするのには昔は版画、今でも大きな印刷機がないといけないので、お金がかかる。
印刷そのものにもやっぱり時間がかかるし、印刷後は記載を修正のが大変なので、印刷するまえに推敲を重ねる時間も必要で、時間もかかる。
さらに、情報の受け手側は、「この記事なんかおかしくない?」と思っても伝える手段が投書とかで、ちょっとハードルが高い。

この方式は、行きわたる情報の範囲は広いんだけど、「情報の受け手どうしでの情報交換があまりない」という点も挙げられる。
もちろん、「ねえねえ、あのアントワネットの悪口読んだ?」というのを噂することもできるけど、基本的には情報の受け手は受け手であって、もしかしたらアントワネット様の大ファンかもしれない人に「悪口見た?」とか言うのは危険だし・・・・
ちょっと例が極端かつ趣味に走りすぎたかもしれない。


(3)ユニキャスト+データ

電話とかFAX、電報とかがここに入る。
媒介するものが紙の時と違うのは、即時性と双方向性。伝えたいことをすぐ伝えられて、さらに相手のレスポンスをすぐに得られる。

Photo_4



ちゃんと相手に伝わった、ということがすぐに確認できるので、緊急の連絡には非常に向いている。
こういうちゃんとした(?)情報の伝搬だけじゃなくって、自分のぱらぱらとしたまとまりのない感情を伝えるのにも向いているといえる。ああ、昔、長電話とかしたなあという気持ちである。
ただし、電話代は特に国際電話とかになっちゃうと高いし、時差も気になる。
また、当たり前だけど、連絡網とか言いつつ5人に電話しろ、っていうのは大変だし、相手が超忙しいのに電話をずーっと鳴らし続けたら嫌われるかもしれない。


(4)ブロードキャスト+データ

ブロードキャストと言えばまずはテレビ、そして最近(でもないけど)ならインターネット。
大勢でやる電話会議もこれに入る。


アントワネット様の風刺画のように、同じテレビを持っている人もでも、誰が何を見ているかはよくわからないし、どんな感想を持っているかも基本的にはクローズド。
そのため、影響度を測る物差しとして、視聴率というサンプリング調査が行われている。(共通言語のように「月9見た~?」という会話を繰り広げるグループに一瞬足を突っ込んだことがありましたがそれはさておき)
数字だけじゃねえ、ということでテレビ局側ももっと細かいフィードバックがほしくて、アンケートとかしているのかもしれない。
さらに(2)の新聞とかに近い部分として、たとえば
「納豆がダイエットにいいって嘘っぽくない・・・・?」
と思っても、それを確認するにはテレビ局に電話しなきゃいけなくて、それですらめんどくさいのに、きっとつながったらつながったで、
「視聴者の皆様の貴重なご意見として承ります」
とかマニュアル通りの対応を受けるのだろう、想像だけど。だから、放送内容を検証する社内組織や団体がいる・・・・のだと思う。

しかし、我らがミレニアル世代の味方のインターネットさんはここがちょっと違う。

Photo_5

まず、誰かがネタ(と書いたけど、記事でも自分の考えでもなんでもいい)をオレンジ矢印の方向に投下したとしよう。
そしたら、それがフォローしている人の目にとまる。上の図だと、その人をフォローしている人は1人しかいないけど、そのたったひとりの人が、その情報を自分のフォロワーに流して、さらにそのフォロワーが自分のフォロワーに流して・・・・とどんどんシェアされていく。
さらに、そのネタを受けた人は、赤い矢印のように自分の考えをいろんなところで表明し始める。
これについてはどう思う、こう思う・・・・各自のSNS上の設定にもよるけど、基本的には個人の意見は可視化されていて、広く見ることができる。
これらのいろんなところで発生したフィードバックを、ネタの発信者はすぐに手にいれられる。

そして、インターネットに接続できる端末を持っていて、インターネット接続料金を払ってさえいれば(無料Wi-FiでもOK!)、だれでもネタの発信元になれる。
もちろん、受けるフィードバックはすべてが友好的なものではないだろうし、時にはめんどくさいと思うこともあるけれど、双方向+速い+広い影響範囲のコンボ!!
さらに、ネタはもちろん玉石混交で、いいものもあれば嘘もあるので、ノイズから必要な情報を得るという力を養う必要がある。

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ここまで書いてみて気づいたのだけど、友達とのおしゃべりとか、深い議論とかは(1)か(3)の方法がいいような気がする。もしくはクローズドな(4)。
最近、SNS疲れと言われているのって、(1)か(3)の方法で解消すればいいコミュニケーションを、オープンな(4)の方法で解消しようとして失敗しているのではないだろうか・・・・

ともあれ、(4)は広くフィードバックがもらえることに大きなメリットがあるのだなあ、ということを再確認。ということで、Twitterの非公開設定は今日でやめてみた。
この辺についての考察は今後していきたいと思う。


相変わらずニューヨークあんまり関係ないエントリーが多くてすみません・・・・

2013年5月27日 (月)

「グローバル化」とか言っているからつまずくのです

本の整理をしていたら、アメリカに来る前に成田のTSUTAYAで買った本を発見した。

なぜ、日本企業は「グローバル化」でつまずくのか―世界の先進企業に学ぶリーダー育成法





まず、「グローバル」というカタカナ言葉がいろんな場面でいろんな意味で使われていて、よくわからなくなっているんじゃないか、という問題提起から始まる。
「地球的○○」という形に置き換えるのはどうですか、と提案しているけど、うーん、これはちょっと語呂が悪いような。「全世界規模」じゃだめなのかな?と感じた。
まあしかし、「グローバル化」とか「グローバル人材」が誤解されているのはおっしゃる通りだと思う。
「英語ができれば、どんな仕事でもできると思うなよ!!!」というのは、以前も書いた。
(参照記事→『「英語ができる」という評価を「英語ができない」人がする悲劇』)


本書いわく、日本企業のグローバル化でのつまずきの要因は以下4つだそうだ。

(1)もはや競争優位ではない「高品質」にこだわり続けた
(2)生態系の構築が肝心なのにモノしか見てこなかった
(3)地球規模の長期戦略が曖昧で、取り組みが遅れた
(4)生産現場以外のマネジメントがうまくできなかった

ああ、おっしゃる通りです・・・・
やたら高品質なスマホ連動洗濯機やら(いつもネタにしてすみません)、某音楽会社がデジタル配信をずーっと拒否してたことやら、なんとなく政府が言ってるから海外で事業やらなきゃいけないなーとか、どうしようもないマネージャーとか・・・・
あ、最後は一部の人に対する感想で、もちろん素晴らしい方もたくさんいます!

以前、ヨーロッパに住んでいたときに、デパートの家電製品売り場に行ったら、韓国製のTVが売り場のほとんどを占めていて、高い日本製のTVは隅に追いやられていて、あー、なんか日本って違うんだなーと感じたことを鮮明に覚えている。
ちなみに、その当時家具付きの我が家についてたTVやそのほかの家電も、ほとんどが韓国製だった。
あ、今の家の備品のTVも韓国製だ・・・・

これらの4つの課題は、「視野狭窄」、「土俵違い」、「多様な人材の欠如」が招いているものだとしている。
この後に続く文章は、「ああ、わかる人はわかってるよねえ」と思う文章である。

 多くの日本の企業は、その組織の構成においても、意思決定の現実においても、中年の男性を中心に成り立っています。女性の活用は世界的に見て遅れており、中枢にいるのは四十代以上の日本人男性です。外国人の活用もほとんど進んでいません。
 社内に人材がいなければ外部の知恵ある人と協業することも必要ですが、社外の人に対しては、時に下請け扱いをして高圧的になりがちで、プロフェッショナルを適切に遇することが増えてです。内向きで、流動性と多様性のない組織からは変化の時代に即応したアイデアも戦略も生まれにくいのです。
(中略)
 この多様性のなさはイノベーションが求められグローバルな展開が求められるいま、そしてこれからの企業経営において、大きなハンディキャップになる可能性があります。

以前も書いたとおり、「多様性が大事」というのは、なかなかマジョリティの人にはわかってもらえないのである。
(参照記事→『オールドボーイズネットワークとエイリアンのわたし』)


この本は、そんなマジョリティの人たちが開いたら、「うっ」と考えさせられるんだろうなーと思う言葉が、ほかにもたくさんつまっている。
・・・・ので、マイノリティ、エイリアンから見たら小気味よい。くくく。

 すべての人間が外国人への偏見や先入観を少なからず持っています。グローバルにビジネスを展開すると決めたならば、そうした偏見については意識的に減らしていくように努力することが不可欠です。
 しかしこれらを一番困難に感じるのは、日本人男性正社員です。彼らは自らが日本企業において心地よいメインストリームにいるため、自分たち以外の周囲の人たちのことを一段低く見がちです。

なるほど・・・・
これは本当に個人的な経験なんだけど、「白人の奴ら」みたいな発言って、今のところ日本人の中年以上の男性からしか聞いたことがない。
わたしは鈍感なのか、それともまだまだ経験が浅いからか、「白人だからえらそうだなあ」、とは感じたことはないんだけど、もしかしたら、
「なんか馬鹿にされてる!日本では馬鹿にされたことなんかなかったのに!」
と無意識に感じて、そういう感想を持つ人がいるのかもしれないなあと思った。

 昨今、日本企業のモチベーション低下や職場におけるストレスの増大などがよく言われていますが、ひとつにはメインストリームである日本人男性正社員の自分たち以外の相手、例えば女性、若手、派遣社員、外国人、社外パートナーといった人たちに対する共感性(エンパシー)と思いやり(シンパシー)の欠如がそれを起こしている部分もあるのではないかと思います

これはほんとそうだと思う。
「毎日11時まで残業、通勤時間は1時間半、家のローンは35年」
みたいな昔の同じような人たちしかいない職場環境だと、
「だいたいどういう生活をしていて、生きる上で何に重きを置いているか」
というのがわかるので、その中でどう振る舞うかとかは気にする必要がない。
でも、雇用形態、働き方、生活の仕方が違う人たちがいる環境では、相手の立場をよく考えることが必要なんじゃないかなあ。

例えば、共働きの家庭だったり、子供のいる家庭だったり、介護をしている人だったり、または残業代が出ないという契約になっている人に、「11時まで働かないなんてけしからん!」って時間だけ見て怒るのはばかばかしいし、安い時給の人に、「この程度の仕事はなんだ!」って言うのもなんか違う気がする。
(給料と質の問題は難しいけど)

時に日本の経営者は若手を鍛えなければいけないと言いますが、果たしてご自分は鍛えられているのでしょうか。

ゴルフは鍛えられてそう!


本書いわく、「グローバル人材育成のために日本企業ができること」として、5つの提案をしている。

(1)研修以前にもっと人事異動を効果的に使え
(2)幹部教育を手厚くせよ
(3)人材育成は日本人も外国人も対象にせよ
(4)英語とともにコミュニケーションの型を学べ
(5)海外ビジネススクールを有効に活用せよ


最後に。この本の中に、「日本企業の挑戦」、として、ある企業の研修風景の写真が出ていたんだけど、これが笑えなかった。
中年以上の男性ばっかり・・・・
超えなきゃいけないハードルはなかなか高い。

ちょっと話は飛ぶけど、先日の三浦雄一郎さんのエベレスト登頂について、面白いTweetを発見した。

そういえば、矢沢永吉さんのアルバム?が最高齢オリコン1位とか、そんなニュースも出ていたけど、これから高齢化社会だし、医療も発達していくのだから、「最高齢」記録がどんどん破られるのは当たり前かもしれないなあ。


メインストリームや今後マジョリティを占める高齢者が元気なのはもちろんいいことだけど、マイノリティになってしまう若い世代に出番が回ってこない社会はやっぱりちょっと物足りない気がする。
出番を回すためには、高齢者まではいかないけど、ちょっと年上の世代が、
「自分でもできる!」
と思うことをそっと若者に譲ることで社会が活性化する、という意識を持つことが大事なのではないかなあ。

「若者を援助することはかっこいい!」みたいな風潮を作ったらいいのかもしれない。
しかし政府にはこの活動は期待できない。だって65歳定年を義務化しちゃう人たちですから。

じゃあどうするのか?
前にも書いたけど、ミレニアル世代には、メインストリームでマジョリティなエスタブリッシュメントを怖がらせるくらいの力があるのである。
(参照記事→『「オレがオレが」なミレニアル世代が世界を救う?』)


新しい文化や、社会で必要とされるその力や製品、サービスをうまくアピールして、マジョリティである中年男性に理解してもらって、援助してもらうことを考えてみたらどうだろう。
きっと、わたしみたいな、「おじさんたち、全然わかってない・・・・」とグチグチ言いがちな人が、あきらめずに彼らをしぶとく説得したり、歩み寄ることが必要なんだと思う。
媚びるのとは違うと思うのでなかなか難しいけど。


歩み寄りやうまく立ち回るのって、ときにめんどくさいけど、何かを変えたいなあと思ったらちょっとずつ道を作ることが大事だよなあ、と30代になっても反抗期な自分にちょっと反省した三連休の最後の日だった。

2013年5月17日 (金)

「オレがオレが」なミレニアル世代が世界を救う?

先日、図書館でこの表紙のTIMEを見つけて、熟読したくなって思わず買った。

1980年から2000年くらい生まれのいわゆる「ミレニアル世代(Millennials)」の人たちを「The  Me Me Me Generation」と名づけて、

・narcissistic(ナルシスト的・自分大好き)
・overconfident(自信過剰)
・entitled(評価されたいという姿勢。参考)
・lazy(なまけもの)

というデータが出ているけど、どうなんだろう?ちょっと年上の世代がこの世代の特徴を見ていこう!という記事。

Me Me Me Generationってすごい名前である。
日本語にしたら、「オレがオレが世代」「わたしがわたしが世代」とかになるだろうか。
世代論ねえ・・・・思いつつも、ここまでけちょんけちょんに言われてしまっては読むしかない
あ、はい。わたしもミレニアル世代の一員です。


まず、著者は
「これから、歴史の中で繰り返されてきた、年上が若者を非難することを、私もしていきますよー」
と、前置きしたあと、
「でも、これまで批判した親父世代の人たちと違って、オレデータ持ってるもん!!」
と、ミレニアル世代が上記のように考えられている根拠となるデータを持ち出してくる。

その根拠データは以下の通り。

・ナルシスト的人格が見られた人の割合が、65歳以上と比較して、20代では3倍(2009年)
・40%のミレニアル世代が、実績と関係なく2年ごとに出世すべきと考えている
・CEOよりも、アシスタントになりたいという女子学生が4倍(2007年)
・60%のミレニアル世代が、どのような場面でも自分が正しいと感じられると回答
・18歳から29歳までの若者は、配偶者よりも自分の親と同居している割合が高い(2012年)
・大きな責任を負う仕事をしたいと言っている若者が10年前と比較して、80%から60%に減っている


なんだかこの辺のデータ、日本で若者を草食系とか無気力とかパラサイトとか言うのと似ているなーと思ったところ、記事でも、
「グローバリゼーションで、世界中にSNSとか同じようなものが出回っているので、どの国でも似たようなものでしょう」
と指摘している。


しかしながら著者は、インターネットや携帯の普及で、情報やら人やらがあふれている社会では、人々とつながっていなきゃという気持ちも生まれるだろうし、埋もれずに人々に認識されるためには、いいね!みたいな評価(entitlement)を得たいだろうねえ、と理解を示している。
年上の世代にYouTubeがあったら、もっと大変だったでしょ!とも。
そして、ミレニアル世代はこんな人たちだとも書いている。

・熱心で、楽観的
・システムを受け入れる
・実用主義的な理想主義者
・夢を見ているよりはいろいろ試してみる人
・ライフハッカー
・世界は平等
・コンスタントに受け入れられている実感を得たい


著者は以下のように、年上世代から見たミレニアル世代の印象を記している。()内は私の注釈である。


They (millennials) are the most threatening and exciting generation (...) not because they're trying to take over the Establishment but because they're growing up without one. (...) The information revolution has further empowered individuals by handing them the technology to compete against huge organizations: hackers vs. corporations, bloggers vs. newspapers, terrorists vs. nation-states, YouTube directors vs. studios, app-makers vs. entire industries. Millennials don't need us. That's why we're scared of them.

IT革命により、ミレニアル世代はひとりひとりが力を持っていて、個人がこれまでの「Establishment」、大きな組織や団体を脅かす存在になりえる。
でも、ミレニアル世代はEstablishmentをのっとろうとして行動しているのではなくて、Establishmentを必要としていないのである。
私たち(著者が代表する年上世代)は必要とされていないから、彼らを恐れている、というかんじだろうか。
これは非常に的を得ている気がする。


この、「年上の世代が自分の世代を恐れている」っていうのを感じたことがある人はどのくらいいるのだろうか。
おそらく、あまりいないんじゃないかと思うけど、
「こんなことできないの(知らないの)?」
「ぐぐってみればわかるのに・・・・」
「なんで何かをするのにそんなに時間かかるんだろ?」
という、素朴な疑問というか、あれっという感覚を持ったことがある人は、結構いるのではないだろうか。


・・・・・・・・
あれ、わたしだけ?

しかし、日本のこのEstablishmentのミレニアル世代に対する見方は、もうちょっとゴマすってくれてもいいよーというような姿勢である。

「イクメン、弁当男子」は、なぜ出世できないか(プレジデントオンライン・・・・から消えてる!!)

ゴマをすらなかった結果、炎上→記事削除に追い込まれたのだろうか。
日本のミレニアル世代のパワーはすごい。(すべてがいい面ではないけど)


ともあれ、いまや、ミレニアル世代は、年上世代より、いろんな情報を手に入れられるし、端末やサービスも使いこなせるし、様々なコミュニティにアクセスすることも可能なのである。
こういう人たちを活用しないのって、社会の損失じゃない?
ちょっと上の世代の同じような人たちばかりが働いている環境だから、

「洗濯機+スマホ+クラウドを組み合わせたすごい製品作っちゃったぜ!」


みたいな悲劇がおこるわけで(参考)、この商品の企画段階に例えばミレニアル世代に忌憚のない意見を求めていたら、

「スマホもクラウドも無理に使わなくていいんじゃないでしょうか。洗剤の容器に目盛りありますし・・・・

と苦笑しながら(ちょっと申し訳なさそうに?)提案してくれるだろうし、また、毎日洗濯をしている人がいたら、

「いや、洗濯のとき一番大変なのってたたんでしまうことだから


と一笑に付してつっこめるわけである。


さらにタチが悪いなあと思うのは、
「じゃあミレニアルの意見を!」
となったときに、おじさま方は、

「ではお客様アンケートを」
「ではマーケティングデータを」
「ではコンサルタントを」

という発想に陥りがちなんだけど、ミレニアル、あなたの席の3m先にいますから。
そういう人たちの率直な意見を聞いて、生かさないなんてもったいない。


前回(参照)も書いたけど、オールドボーイズネットワークで固まっているところからは、同じような発想しか出てこなくて、イノベーションとか成長とか無理だろうなあと思う。
この取り組みみたいに、多様化を促進するような動きがどんどん広まるといいなあ。

イオン:女性管理職、20年に5割へ 出産、育児に配慮(毎日jp)

この動きの中で、女性手帳とか慰安婦は仕方ない、とか言っちゃうどうしようもない政治家や、つまらないヤジや見栄もついでに駆逐できないかな。

オヤジギャグはなごむので、存続を支援したい。
たまになら。


(2013/5/27追記)
「app-makers vs. entire industries 意味」という検索ワードでこのブログをご覧になった方がいるようなので、もしもう1回このブログを見ていただく機会があるなら・・・・と思い、追記しておきたい。

app-makersというのは、字面通りとるとスマートフォンやタブレット向けのアプリケーションを作っている人たちのことだろうけど、entire industriesと対比しているということは、おそらく、YouTubeや、Netflixとかの新しいメディア・サービスのことも指していると思われる。
こういう新しいサービスで既存の業界(entire industries)が脅かされている例としては、

Youtube vs. テレビ(地上波、衛星、ケーブル)、音楽業界
Netflix、Hulu(動画ストリーミングサービス) vs. テレビ、映画業界
Pandora、Spotify、Songza(インターネット音楽ストリーミング) vs. ラジオ業界、音楽業界
Kindle(電子書籍) vs. 出版業界
Skype、LINE、Viber(無料音声通話、メッセージング) vs. 電話会社、携帯会社(もしかしたらハガキ、郵便会社とかも?)

さっと考えただけでもこのくらいある。
これまでの業界の常識を打ち破るアプリケーションがミレニアル世代によって作られて、それによってEntire industries=Establishmentと思われている業界に結構な打撃を与えているということですな。
この辺得意なので、ご質問いつでもお受けします!

2013年5月13日 (月)

オールドボーイズネットワークとエイリアンのわたし

橋下知事の発言が、ABCやBBCでもニュースになっていた。

Japanese politician defends use of sex slaves(ABC)

Japan WWII 'comfort women' were 'necessary' - Hashimoto(BBC)

ABCの見出しひどい・・・・
しかし、この発言はないよなあ。
こういう失言があるから、政治家や企業のトップは何度も何度も推敲された紙を読まされるんだなあ、ということを実感する事件である。
ここまでの失言ではなくても、人の発言って、その人がこれまでの人生で考えてきたこととか、スルーしてきたことがすごくよくわかるよなあ、と思う。

そんなことを実感したのは少し前。
日本人駐在員数人で話していた時のことである。
どうでもいいtipsだけど、日本人駐在員、と聞いたら9割男性と考えていい。この日も男性数人と女性はわたしひとりという比率だった。

時間にして、1時間ほど、彼らはずーーーーーーっと、ゴルフの話をしていたのである。
どこどこの会社の○○さんのハンデはいくつ、△△会っていうので毎月1回は回ってて、どのコースはいい、クラブはどこのやつ、アメリカの通販サイトがいい、うんぬんかんぬんうんぬんかんぬんエンドレス。

うわー。参加できない・・・・

申し訳ないなあ、と思う部分は少しあるけど、うまい話の盛り上げ方もできずに、「へー」とか相槌うちながら聞いていたわたしである。

いつ終わるのかなーと思っていたら、1時間後くらいに、やっと話が振られた。
「こんなにゴルフに夢中になってる男って、バカだなあ、と思うでしょ?」
いや、スポーツとして面白いですよね。わたしもやったことがあるので、わかります、と言ったところ、

「あー、わかってくれるんだー!うちの奥さんはわかってくれなくてさー!」
「そうそう、家族サービスなんか全然してなくって」
「ゴルフに毎週行けるあたり、単身赴任でよかったと思うんだよねー」

ああ、結婚2年目のわたしの夢を壊さないでくれますか、みたいなコンボを食らった。


「実は、うちの嫁も一時期やってたんだよね。でも、アレでやめちゃったんだ」
アレで、のところで、その人はお腹の前に手で円弧を描いた。

え、これはまさか・・・・!!

「ああ、うちもそうなんですよ。その頃は○○に駐在してたんですけど、コレで
描かれる円弧もう1つ。

やっぱり、まさかの妊娠を示すオヤジジェスチャー!!

日本にいたころ、友達がふざけて、「アレがコレで」ってやってたのを思い出す。
このジェスチャー、ほんとにやってる人がいるんだ・・・・!!
わたしにとっては、「ナウなヤング」って言ってるみたいな、恥ずかしいというか、ネタとしか思えない仕草だったのである。


その後、やっと存在に気づいてもらえたようで、わたしの話になった。
「でもさ、うささん(仮名・わたしのこと)はアメリカに駐在になっちゃったけど、旦那はどうしたの?」
「一緒に、アメリカに連れてきました」
ええっと驚くわたし以外の男性陣。ここまではわたしも慣れたものである。
「フリーランスなので、こちらでも仕事ができればと思って一緒に来ました」
反応は、わたしの想定問答の斜め上を行くものだった。

「日本に根がないから、連れてこれたんだねえ」


根がない・・・・!?
つまり、根なし草って言いたいのだろうか。
これはこれまでにない反応だなあ、と脳内想定問答集に書き込んでいたところ、別の人が、よくわからないんだけど、と前置きの上、困惑したように聞いてきた。

「その場合って、旦那さんにはビザは出るの?」
「はい、わたしの配偶者ビザで」
「え!旦那さんの方が配偶者ビザで来るなんてできるの?」

!!!!!!

わたしにとっては目から鱗どころか目が落ちちゃうくらいの衝撃的瞬間であった。
配偶者って!言ってるじゃない!!「妻ビザ」なんて言ってないじゃない!!!


根が深いなあと思ったのは、彼らが何ひとつためらわずに、すらすらと上記の発言をしたことである。
彼らにとっては、
「土日は男だらけでゴルフ」とか、
「ゴルフのために単身赴任は家族に気を遣わなくていいから楽」とか、
「会社員以外は根なし草」とか、
「配偶者ビザで来る人=妻」
みたいな考えが定着していて、本当に素直に思ったことを言っただけなのである。
自分の考えを見直す必要性をこれまで迫られたことがないし、その発言でわたしのように「うわっ、そう来たか!」と思う人がいるなんてことも想像したこともないのであろう。

これ、あれじゃない、オールドボーイズネットワークってやつじゃない・・・・

もちろん、日本にいたころも、こういう人はちらほらいた。
でも、駐在員の世界って、男性が圧倒的に多いので、男社会的なつながりがより強固なものになるのではないだろうか。
もしかしたら、最近流行りの「女性活用」とか「セクハラ」もどこへやら、の人が多いのかもしれない。訴えられることには敏感かもしれないけど。

こういう凝り固まったちょっと特殊な社会には、やっぱり、『Lean In』でシェリル・サンドバーグさんが言うように、女性リーダーが必要なのだと思う。

一番必要としている人が、その必要性に気づいてないだろうけど。
(過去エントリー:シェリル・サンドバーグの『Lean In』がめちゃくちゃおもしろい(※まだ読み終わってない)


ここで男性社会に対して憤っていても何も変わらないので、わたしはせっせと

・夫を配偶者ビザで帯同させた
・夫婦別姓でIDを作った
・駐在中に出産して、制度を作った(未来)
という前例を作って、後に続こうという人や、道が見えないという人たちを励ましつつ、日本の組織とか、社会の多様化の一助となれたらな、と思う。
しかし、残念ながら、日本の大都市の首長ですら冒頭のような発言をしちゃうような状況なので、道は長く険しいなあ、とも感じるのであった。


※なお、このエントリーの会話部分は、臨場感たっぷりにお送りしたかったので、彼らの発言をなるべくそのまま書いています。

2013年5月12日 (日)

Skypeで結婚前の両家顔合わせに参加した日

弟が結婚することになった。そして、両家顔合わせが昨日だった。
挙式は9月だし、その時に会えるから帰ってこなくていいよ、と言われたのだが、みなさんに会いたいし、話してみたい。


半分本気、半分冗談で、
「Skypeで顔合わせに参加したいなーーー」
と言ったところ、弟が本当に手配してくれた。
事前の接続テストをして、顔合わせ本番の時間に、本当にSkypeがかかってきた。


Skypeがつながった瞬間、原稿のような紙を持っている、やや緊張気味のスーツ姿の弟が見えた。
「姉夫婦はニューヨークにいるので、こういう形で参加させてもらいました」と説明して、会場にいる先方のご家族が見えるようにタブレットを配置。
目があった瞬間、会釈してくださったり、手を振ってくださる画面の向こうの先方ご家族のみなさん。
「その角度いいみたいだから遺影みたいに持ってて」
と弟が妹に頼んでいた。おい。
緊張なんてしていない、妹が画面を見て素直な感想を述べた。
「あれ?着替えた?髪の毛は結んでごまかしたんだね。お化粧もしてるし!」
おい。接続テストの時の裏事情を大きな声で話すなんてひどい。


先方のご家族からは、

「ニューヨークから!すごい!」
「今何時ですか?」
「すごく鮮明に見えるのねえ」


などの声が挙がった。
鮮明に見えているのか・・・・
「どうせそんなに見えないし、お化粧適当でいいよね」とか言っていたので、ちょっと焦る。
こんな部分も含めて、画面の中にいるけれど、すごく時間を共有している感じである。
家族の紹介が終わって、記念品の交換となり、弟が婚約者に婚約指輪をはめたとき、左手にはめたら、
「あれ?婚約指輪は右手じゃない?」
という声が挙がり、慌ててやり直す、なんていう場面もリアルタイムで見てしまった。
二人が笑顔で並んでいる姿が微笑ましくて、思わず、画面の写真をiPhoneで撮ってしまった。
スクリーンキャプチャーでいいじゃん、と夫につっこまれたけど。


画面の向こうのみなさんと一緒に乾杯したところで、そろそろ遅いしこれから日本ではご飯食べるし、とSkypeを切ることになった。
最後にはお店の人もノリノリになってくれたようで、これから参加者が食べるであろうお肉をこちらに向けて見せてくれる、というサービス精神を発揮してくれたのであった。
それはそれは見事な霜降り肉であった・・・・


今回感じたのは、
「技術革新は間違いなく生活やこれまでの伝統にさまざまな選択肢を与えてくれるので、それをどう使って行くかはチャレンジなんだなあ」

ということである。

今回は、伝統行事である両家顔合わせに対して、
わたしが「Skype」というこれまでにない手段で参加したい、と言ったところ、
主催者と参加者のみなさんが(と思いたい)それを許可してくれて、実現した。

これは提案を受け入れてもらってありがたいなあと思うべきかもしれなくて、
「Skype?タブレット?なんだそれ、失礼な奴だな」
と思う厳しい人もいるかもしれないし、
「両家顔合わせに来ないなんてけしからん!」
っていうもっと頑固な人もいるかもしれない。
いや、実際に思われたかもしれないけど・・・・。


伝統的な行事や価値観にも、メリットとデメリットがあって、こういう「新しいものを取り入れていってみよう」という試みにももちろんいいところと悪いところがある。
きっと、伝統的行事でまったく意味のないことは歴史の中で淘汰されているものも多いので、合理的な部分もあるのだと思う。
わたしは伝統的と聞いただけで鳥肌が立つくらい、30代になってもいろんなものに対して反抗期を続けているわけだが、合理的と言われると、確かにあっている部分もあるよねえ、と認めざるを得ないときがある。
どう折り合いをつけて、最適解を見つけていくかって、永遠の課題なんだろうなあ。


さらに、こういう、インターネットでなんとかできるものって、そこにかかる物理的なもののコスト(今回は飛行機代)は減って、インターネット接続や、端末(今回はiPadとネクサス7を使った)、アプリ、サービスにコストがシフトしていくのだろうなあということも感じた。
もちろん、以前読んだこの本に書かれている通り、物理的なものがゼロになることはないんだけど、使っているお金の比率はそれは変わるよね、若者が車じゃなくて携帯にお金かけるよね、ということである。



しかし、家族紹介のときに、弟が、
「以上、○○家、6名です」
と言っていたんだけど、わたしの夫、婿入りしたと思われたんじゃないだろうか、という点がちょっと気になる。
これを機に、こっそり名字を旧姓に変えられないかなあ、と目論んでいる。

2013年5月 2日 (木)

SSN+労働許可証+仕事を手に入れた!

・・・・のである。夫が。
しかも、すべて、一気に。

・・・・・・・・
書いてみて、改めて耳の奥にドラクエのレベルアップの音楽が3回くらい高らかに響いた
はぐれメタル倒したみたいな状態である。
元ネタわからない人、ごめんなさい。


【SSNを入手】

先々週末、やっとこ夫のSSNと労働許可証が家に送られてきた。
過去の記事を読むと、2月6日に申請しているので、はや2か月半!長かった。
ちなみにわたしのSSNは1週間弱で手に入れていて、夫の分だけが2か月半もかかったのである。
夫が入手したSSNカードにも、わたしのものと同じく「働いてもいいよ」的なことが書かれているので、労働許可を待って発行したからこんなに時間がかかったものと考えられる。


【仕事を発見】
そのSSNが送られてきたその日のこと。夫が、
「いい求人があるから、レジュメ送らなきゃー」
とか言っている。
その求人がこんな仕事あるのか、ってくらい、ニッチで、これまた超ニッチな夫のqualificationにぴったり一致しているのである・・・・
以前作った英文レジュメをちょっと直してメール送信。


【そして採用へ・・・・】
メールを送った翌日、さっそく面接をしましょう、という連絡。
面接後の夫は落ち着きはらっていて、
「まあ自分よりあの業界に詳しい人がいなきゃ大丈夫じゃないかなあー」
などと余裕の構えである。
『Lean In』でシェリルさんが言っていた、
「男性の方が女性より自分の能力を客観視できる。女性は必要以上に自分を過小評価する」
という言葉の意味がわかったりした。(以前の記事
そして、予想通りというか、数日後、無事採用!

・・・・・・・・


以上、回想おわり。
新卒以来、ずーっと今の会社にいて、離職とか転職とか職探しにびくびくしているわたしは、夫の仕事をつかむ力というか、引きの強さにぽかーんとするのみである。


というなりゆきで、先週から久々の共働き状態である。
改めてだけど、いいところ、つらいところをまとめておこうと思う。


【共働きのいいところ】

(1)収入増・リスクヘッジ

やっぱり妻側の一馬力は不安になる部分もたくさんある。
子供ほしいような気もするけど、いや今子供できたら無収入だよ我が家!みたいなところが一番である。
でも、一時的にどちらかが仕事を離れられる、という選択肢は、突然の病気とかのリスク回避にもなるし、人生を考える上でも、あった方がいいと思う。


(2)自由度アップ・心の余裕
これは収入増によるものが大きいけど、可処分所得が上がって、一馬力時代よりも趣味に多くお金が使えることはうれしいし、働く活力にもなるなあ。
二馬力から一馬力になったとき、最初はお金の関係の引き締めがほんとに大変だった。(遠い目)
ああ、わたし、貯金できない人の典型かもしれない。気をつけよう。


(3)周囲の雑音対策

専業主夫家庭のよくある質問として、
「旦那さん、家で何してるの?」
というものがある。
お掃除とか洗濯とかご飯作ったりだとか、とか答えると、9割くらいの確率で、相手は「へえええええ」と感心してるのか、呆れてるのかわからない反応をする。
これ、「奥さん何してるの?」ってFAQはないような気がするので、なんかやっぱり男女の差を感じるんだよなーー。
世の中には、男女に関する伝統的価値観が無意識にまでべとーーーっとこびりついている人がいるので、そういう人の無邪気な質問にいちいちむっとしないですむようになる。



【共働きのつらいところ】

(1)家事の公平な分担

なかなかどうして、家事ってうまく分担できないのである。
うちは子供がいないのにこんなんだったら、お子さんいらっしゃるおうちはもっと大変なんだろうなあ!
とりあえず、ルンバさんを買ったので、掃除は21世紀の技術にせっせとがんばってもらう。

ご飯は、シャトルシェフやらストウブやらを使って、ほっといてもできるものを作る。
お豆の料理とか、スープとかはおいしいし、野菜もたっぷり食べれるし、腹持ちするしよい。
シャトルシェフをご存知ではない方はこちら。

THERMOS 真空保温調理器シャトルシェフ 3.0L ステンレスブラック KBA-3001 SBK (amazon)

これはほんとに共働きの友!!
お洗濯だけはどうにもならない。家に洗濯機ないし。
とりあえず、朝早起きしてお洗濯に行ってみる試行期間中である。


(2)外食の増加≒体重の増加
やっぱり仕事で疲れると、「ごはん作るのめんどくさいよね・・・・」となりがち。
さらに収入が増えてるし!
ニューヨークはデリのお店もたくさんあるし、最近ではオンラインで注文して配達してくれるSeamlessみたいなサービスもあるし、作らなくてもなんとかはなる。
しかし、やっぱりお金がかかるし、同時に体重の増加も懸念される。
1週間分の献立とか作ったら解決するのかなあ。ううむ。


(3)コミュニケーション不足
幸いふたりとも土日休みの仕事なのに、わたしが11連勤(記録更新中)したりしていると、やっぱり疲れて会話がなくなるというか、心がささくれだってて、ちょっとしたことで相手を責めたりしてしまう。(※我が家の場合はほぼ一方的にわたしが攻撃側です)
両方こういう状態に追い込まれたら怖いなあ、という気はするので、程よく自分を甘やかしながら仕事をしたいなあ、と思ったのであった。
ちなみにわたしの自分を甘やかすアイテムは、アイス、ちょっといいお茶、入浴剤の3点である。安上がりな女である。


【まとめと今後の展望】

これまでSSNを持っていなかった夫を、

「オマケビザ(=配偶者ビザ)だもんねー!離婚したらいつでも強制送還になるねーぷぷぷー」

と虐げる遊びをしていたわたし。

しかし。
今や、彼はPhoto IDとして使える労働許可証を持っているので、わたしの方が、
「あれ~?Photo IDないんですか~?ぷぷぷーー」
と言われる始末である・・・・

この前のスカパラのライブのときにも、夫は、ささっと労働許可証を見せて入っていいよーと言われていたのに、わたしはIDを持っていなくて、夫に「She is my wife」と入口の警備員さんを説得してもらったのであった。


この体たらく・・・・どちらがオマケかわからないではないか!!


Photo IDがパスポートだけってつらいのよね・・・・
一刻も早く運転免許を取って、この差を解消しなくてはなるまいと心のうちで闘志を燃やすわたしであった。


【最後に】

事務処理系の過去の参考エントリーどうぞ。

申請に行ったとき:『SSN申請の洗礼
SSNを手に入れたとき:『SSN最短所要時間選手権にエントリー!

2013年4月21日 (日)

シェリル・サンドバーグの『Lean In』がめちゃくちゃおもしろい(※まだ読み終わってない)

全米で話題沸騰中のこちらの本。
フェイスブックのCOO、シェリル・サンドバーグの著書である。
まだ読み終わってないのに、途中までの感想を書きたくなるくらいおもしろい。
(後日談:ちゃんと読み終わりました。おもしろかったーーーー)

「結婚とか出産とかいろいろあって大変だけど、女性が働きやすくなるように、一歩踏み出しましょう!」
という主張が展開されていて、「新しいフェミニストのマニフェスト」とか称されている。

この本の何が話題沸騰かというと、こんな感じである。

A Titan’s How-To on Breaking the Glass Ceiling(NEW YORK TIMES)

5 smart responses to Sheryl Sandberg's Lean In(THE WEEK)

When Black Women Are Left Out of the Conversation(ESSENCE)

まずは一歩後ろに引いてみること--ハフィントンからサンドバーグへの助言(ZDnet Japan)
(余談だけど、わたしこの方の記事のファンである)

「今苦しんでる女性たちに対して、これ以上踏み出せとか言うのか!」とか、
「お金持ちのあなたが言ってもねーーー」とか、
「主張が結局エリートの女性にしか当てはまらないじゃん」とか、そんなかんじで、賛否両論なのである。

ふむーーーーー。
おそらく、本人も批判を受けるであろうことを予知していたっぽく、本の中にはクッションワードならぬ、昔の失敗談とか苦労話のようなクッションエピソードみたいなものがたくさんある。
そのうちのひとつ、シェリルさんがGoogleで働いていたころ、電話会議に出ながら機械で搾乳してた、というエピソードとか、もうかわいすぎるじゃん!と思うのだが。
というように、わたしは今のところ、字面通りにしか彼女の言葉を受け取れなくて、おっしゃる通りだよなあーとうなずくばかりである。

この本の中で、シェリルさんは、「女性のリーダーはもっと増えるべき!」としている。
シェリルさんが、Googleで働いていたとき、妊娠してつわりがとてもひどくなったそうだ。
駐車場からオフィスへの道のりもつらくて、CEOのラリー・ペイジに頼んで、オフィスに近い場所に妊婦専用の駐車スペースを作ってもらった、という話である。
シェリルさんは偉い人たちに直訴できる立場にいたから提案がすぐに実現したけど、そうじゃない人の場合はどうなってしまうんだろう?と同社の女性の中で地位が高い自分がこれまで気づかなかったことを恥じるところからこの本は始まる。


このエピソードの通り、同じような人間しかいない場所には、それ以外の発想が生まれなくて、少数派を無視してるよね、と思うのである。
最近、わたしの友達が妊娠したのだが、彼女はつわりの体を引きずりながら、他の社員と一緒に引き続き遅くまで仕事をさせられていて、本人よりもまわりのわたしたちが心配しているし、憤っている。
結婚や出産を経験した女性がリーダーになってくれたら、そしてリーダーになれる仕組みがあれば、こういう状況も変わるんだろうなあと思う。


しかし、アメリカにも「3歩後ろを歩く」的な伝統はあるらしく、それが女性リーダーの増加のひとつの障害となっているとシェリルさんは考えている。

We hold ourselves back in ways both big and small, by lacking self-confidence, by not raising our hands, and by pulling back when we get throughout our lives -- the messages that say it's wrong to be outspoken, aggressive, more powerful than men.

(わたし訳:私たち(女性)は自信不足や、手を挙げないこと、人生のあらゆる場面で後ろに引くなど、大小さまざまな方法で、自分を押しとどめている。それは、男性よりも率直になること、積極的になること、パワフルになることは間違いだと言われているからだ)

こういう古い価値観から、リーダーになるのを避けてしまっている女性がいるのはもったいない、とシェリルさんは述べる。
だから「Lean In」なんだ、と。踏み出せ、と。

ほんとよねー。
「どうせ無理」って思いこんで行動しないのって一番もったいない。
わたしの話だけど、ニューヨークで働くポストに手を挙げるとき、周囲からは、

「女性が駐在になるのは無理って言われてる」
「ニューヨークなんか行ったら出産どうするの?」

とか言う声が上がったけど、手を挙げずにあきらめていたらすごく後悔しただろうなと思う。
無計画とも言いますが。はい。


ちなみにシェリルさんは、
「誰もがこうしろ、と言っているわけではない」
としていて、仕事を辞めるという選択肢を選んでもいいのよーと、他の価値感も認めているのである。
それなのに、この記事の冒頭にあったような論争というか批判が起きるってどういうことなのだろうか。

・これまでの自分の生き方、やり方を否定されたと思っている人
・「自分ががんばれてない」と思っていて、、どこかで自分を責めているのをずばりシェリルさんに指摘されちゃったと思い込んでいる人
・スタート地点があまりにもシェリルさんと違って弱いので、同じような戦法(給料の交渉をするとか)をとれないと思っている人

この辺の人たちが批判しているのかなあ・・・・


というように、非常に示唆に富んでいる本なので、次回以降にもっとちゃんと感想を書いていきたいと思います!

アップしようとしたら途中までブログが消えて、これ以上書く気がしなくなったわけじゃないのよ。

・・・・ぐすん。


(2013/5/14 追記)
こちらも今後ちゃんとまとめるつもりだけど、ヴァージンアトランティック航空のリチャード・ブランソン会長のこの本に対するコメントが面白かったので、リンクを貼っておきます!

Richard Branson on Sheryl Sandberg, 'Leaning In,' and Balanced Workplaces(Entrepreneur.com)


(2013/6/30 追記)
日本で発売したからか、このエントリーを見つけてくださる方が結構いらっしゃるので、後日談というか、他に引用したエントリーへのリンクも貼っておきます。
あ、ちなみにエントリーのタイトルが「まだ読み終わってない」とかついていますが、無事読み終わったのでご安心を。(?)

『オールドボーイズネットワークとエイリアンのわたし』
『メンターって必要か?』(usa in wonderland)

でもって、日本語版はこちら!いいなあいいなあ読みたいなあ。


わたしは仕事で女性に会うことが多いような気がしていたんだけど、読んだ後は「アメリカってそこまで先を進んでいるわけじゃないのかも・・・・」という感想を持った。
日本よりいいか悪いかと単純に言えることはあまりないんだけど、出産について人の話を聞いていて気づいた違いはこちら。

・無痛分娩が普通-ちなみに無痛じゃないのも選べるらしい。
・アメリカは出産後すぐに病院を出される-医療費高いからねえ。
・出産費用は保険がカバー-「え!日本の保険は出産費用出してくれないの!?」とびっくりされた。出産一時金もらっても赤字だもんねえ、日本だと。
・アメリカは産休短い-日本も産休だけなら短いのか?産んで3か月くらいで仕事に復帰する人が多いみたい。

そのほか、随時追加していきます!

(2013/7/2 追記)
日本でシェリルさんの講演会があったみたいですね。いいないいな。
講演会の動画のリンクを一応貼っておきます。

グローバル・ウーマン・リーダーズ・サミット
(アーカイブも同時通訳つきなので、シェリルさんの言葉が直接聴けないのが超残念・・・・)

この中でシェリルさんは、「政府が何をしてくれるかではなく、ひとりひとりができること」として3つのことを挙げていた。
(1)「女はこうあるべきだ」というステレオタイプを捨てること
女性は自信を持つこと、サポートだけでなく自分が組織を率いるという気持ちを持つこと。

(2)働き方を男女平等に
男女にあるお給料のギャップについて言及。アメリカでは23%、日本では29%も賃金の差がある。
また、勤務時間が長いことは女性が働くことを阻害している。三菱化学の打合せは1時間まで、19時には帰るという取り組みを紹介。

(3)家庭の仕事も男女平等に
日本では、女性の育児にかける時間が男性よりも5倍も長い。
KDDIの社長と、FBについて、女性について議論したらしい。未来は女性にかかっている、というコメントを得たそうだ。

まとめとして、「怖くなかったら何をする?」(これは本にもあった節)と考えて、自分がどのようにLean Inするのかを考えて、シェアしてほしいとのこと。
女性がリーダーになることで未来が変わる。少しずつ女性がリーダーになることで、仕事で成功した女性が嫌われず、周囲から支えられる時代になる、とも述べていて、よりよい社会、幸福に包まれた家族を作るために、男女ともポテンシャルを引き出せるような環境を作っていくことが大切だ、と講演を締めくくられていた。

パネルディスカッションはいまいちシェリルさんの出番が少なかったんだけど、川本裕子さんの「日本の会社はJob deciptionがしっかりしていない」という言葉や、キャシー・松井さんの「ライフパートナー(結婚相手)を誰にするか?といのは人生の中で最も大事な選択」という言葉は心から同意した。

Job description、ようは業務範囲だと思うんだけど、以前のエントリーで書いたとおり、これは日本の組織だと本当にあいまいだと思う。
以前のエントリー:『「英語ができる」という評価を「英語ができない」人がする悲劇』

ここにも書いたけど、わたしは「TOEIC900点以上」という噂が流れて、全然職種が違うのに会社の広報のアナウンスの英訳を頼まれたことがある。
こういう曖昧にお願いされることのせいで残業も多くなるし、本来やらなきゃいけない仕事との間で板ばさみになるし、効率性を著しく下げているような。
ちなみにこれを書いたときに「上司を通して頼むべき」って超正論をもらったんだけど、それより上のレイヤーの話のような気がしている。

Job descriptionをきちんと作る、というのはものすごく大変な仕事のようなので、すぐにどうなる、というのは無理かもしれないけど、同僚に対して「気を利かせてやってほしい」みたいなことをなくすだけでだいぶ違うのではないかなーと思う。

しかし、上記の動画を見ると、質問してる女性はだいたいみんなきれいな英語で質問していた。こういうスキルを持った人たちがよくわからない社内政治にだけ精通したおじさんたちに邪魔されて自由に自分の人生を選べない環境は、本当にもったいないよなあ!

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